男のベーグル作り

はじめに。

私がベーグル作りをするをきっかけになったのが、2011年の東日本大震災。震災後、数日間はスーパーやコンビニ、ちいさな個人商店にまでにも人が押し寄せ、電気やガスが使えなくてもすぐに食べれる弁当やおにぎり、パンはすぐに売り切れ、残っているものといえば調味料や乾麺など。工場も稼動しない為、毎朝、朝食として食べていたパンは、しばらく店頭に並ぶ事はありませんでした。

パンがどうしても食べたい!幸いにも、店頭には小麦粉とドライイーストは置いてありました。時間がかからずすぐに食べられるパンは?ということで、妻のベーグル作りが始まりました。この時は、男の私に料理の出番などありません。

『腕が痛い!』と妻。横で見ていると意外にも?力仕事のパン作り。いや、意外ではありません。力をこめて生地を捏ねる作業は重労働。私の勤めていた会社も震災の影響でしばらく休業状態なので時間はあります。捏ねるのであれば、と私も手伝い事にしました。そこで、全工程を見た私は、衝撃を受けたのです!

パンを茹でる!?

そうです!ベーグルは生地を一旦茹でてから、焼くのです!徐々に妻に変わって、私もすべて自分ひとりで作るようになりました。面白すぎ!毎回、同じ分量同じ工程で作っているにも関わらず、出来上がりが違う。シンプルだけど奥が深い。ここまできたら、もうベーグルの虜。

このホームページは、ひとつは、「自分の記録用。」もうひとつは、「少しでもベーグル作りのヒントになれば。」の為の作りました。ここに紹介している分量、作り方は絶対ではありません。あくまでも自己流です。私自身も発展途上なので、いずれ分量や作り方が変わるかもしれませんがお許しを(笑い)。ベーグル自体は案外、アバウトに作ってもそれなりに美味しく出来上がります。なので、無理せず肩を張らず、ここをヒントにベーグル作りを楽しんで頂ければ幸いです。

2014年6月吉日

ベーグルとは?

ベーグルと言えば、ニューヨークを中心にアメリカ全土の食卓で食べられているとイメージがありますが、発祥の地は、ポーランド説、オーストリア説と幾つかあり、確かなことはわかっていないようです。オーストリアのウィーンで、オーストリアのユダヤ人パン職人が、乗馬好きのポーランド王に喜んでもらおうと、鐙(あぶみ)の形をしたパンを献上したことが始まりで、インディッシュ語(ユダヤ化したドイツ語の方言)のあぶみ「buegel(ビューゲル)」が「bagel(ベーグル)」に変化して、名の由来になったと言う一説があります。その後、東欧からユダヤ人移民のが多く移り住んだニューヨーク中心にアメリカで広く普及していったようです。

日本では、1982年設立した(有)フォックスベーグルが日本におけるベーグルの草分け的存在で、今では日本中に多くのベーグルファンが増えました。

ベーグルの特徴は、あのもっちりとした噛み応えのある食感。材料は至ってシンプルで、強力粉と水、砂糖に塩、そして発酵させる為のドライイースト、もしくは酵母だけ。卵もバターも使わないので、とってもヘルシーな食べ物です。

ベーグルは何故、茹でる?

捏ねた生地を一度茹でる!という衝撃の工程を知った時は、とても驚きました。では、どうしてベーグルは茹でる(ケトリング)のでしょうか?

小麦粉(でんぷん)は、水と混ぜ合わせ加熱する事でアルファ化します。アルファ化とは糊化、つまりのり状になることです。生地を短時間茹でる事で表面をある程度硬くさせ、同時に発酵を終わらせる事で、焼いた時にそれ以上膨らませないようします。結果、あの独特なモッチリ感が生まれるのです。

通常、ケトリングの時間は、片面30秒~1分です。長く茹でる事でモッチリ感が強くなりますが、あまり長時間茹でると焼き上がり後のベーグルがシワになり、見た目が良くありません。長くても片面1分までが良いでしょう。

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